「こちらでお待ち下さい」
緋毛氈で何本かの列が
並べられた部屋に通された。
ここは正座だな。
紅葉求めて
可垂斎に来てみると、
精進料理がいただけると案内が出ているではないか、秋限定・予約無し
って、これはいただかないわけにゃいかんのじゃないの。
女房と正座で待つことしばし。
出てきましたよ、なんと綺麗な美味しそうな精進料理(写真)。
「いただきます。」
なぜか、手を合わせて静かに頭を下げた。
食材の命をいただく云々
こりゃ残しちゃいかん、ありがたく、よ~く噛んで味わっていただかにゃ。
腎臓をダメにしてしまってから、神経質なまでに減塩してきた。
漬け物、干物、汁物、練り物はシャットアウトとし、
もう何年も口にせず、食事に付いてくれば断るか、残すか。
が、食材の命が云々・・・・・・。
いただきました。
全部残さずに良く噛んで味わっていただきました。
何年かぶりかの、たくわん、お吸い物の美味しいこと。
涙が出そうに美味しいこと。
お箸を置いて、静かに目を閉じて頭を下げました。
「ありがとうございました、ごちそうさまでした。」
また、しばらく減塩に精進できそうです。