詩とメルヘン

こやまん

2013年10月22日 18:18

 高校2年生の春だった。

 学校帰りの本屋さんで、
 目の中に飛び込んできた。

 「詩とメルヘン」

 現代風なメルヘンチックな詩と
 飾らないイラストで綴られている。

 釘付けでページを繰って、
 取り憑かれてしまったかのように、
 買って帰った。

 毎号、毎号、夢中で読んだ。
 憧れのまなざしで鑑賞した。

 やがてそこにアンパンマンが登場するとも、
 "僕らはみんな生きている"を書いた人だとも知らず、夢中になった。
 だけど、高校生の男子がそんな本を見ているのは、
 なんだか軟弱なことのように思え、
 人に話すと笑われはしないかと警戒しながら、
 毎号毎号、こっそり買って帰った。

 今のようにアマゾンや楽天はなかったしね。

 でも、こずかいが続かずに、
 いつか買わなくなって離れてしまった。が、

 やなせたかしさん死去のニュースに接し、
 にわかに「詩とメルヘン」が思い起こされた。

 でも、もう本棚のどこにも
 詩とメルヘンは見あたらない・・・・。

 ああいう詩が書けたらいい、
 ああいうイラストが描けたらいい、

 「詩とメルヘン」の世界、憧れだったなぁ。


関連記事