詩とメルヘン
高校2年生の春だった。
学校帰りの本屋さんで、
目の中に飛び込んできた。
「詩とメルヘン」
現代風なメルヘンチックな詩と
飾らないイラストで綴られている。
釘付けでページを繰って、
取り憑かれてしまったかのように、
買って帰った。
毎号、毎号、夢中で読んだ。
憧れのまなざしで鑑賞した。
やがてそこにアンパンマンが登場するとも、
"僕らはみんな生きている"を書いた人だとも知らず、夢中になった。
だけど、高校生の男子がそんな本を見ているのは、
なんだか軟弱なことのように思え、
人に話すと笑われはしないかと警戒しながら、
毎号毎号、こっそり買って帰った。
今のようにアマゾンや楽天はなかったしね。
でも、こずかいが続かずに、
いつか買わなくなって離れてしまった。が、
やなせたかしさん死去のニュースに接し、
にわかに「詩とメルヘン」が思い起こされた。
でも、もう本棚のどこにも
詩とメルヘンは見あたらない・・・・。
ああいう詩が書けたらいい、
ああいうイラストが描けたらいい、
「詩とメルヘン」の世界、憧れだったなぁ。
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